髄膜腫
髄膜種とは
脳を包んでいる髄膜(硬膜、くも膜、軟膜等)から発生する、原発性脳腫瘍の中では最も発生頻度の高い(2-3割)腫瘍です。多くは良性腫瘍ですが一部に悪性腫瘍があります。成人、女性に多くみられます。多くは比較的ゆっくり増大しますが、急激に増大するものあり、急激に増大するものは悪性の可能性が高くなります。
症 状
脳を取り巻く髄膜のあらゆる場所から発生し、圧迫する脳、神経により様々な症状を呈します。大脳を圧迫する場合は意識障害、高次脳機能障害(痴呆症状、失語、失算、失書など)、麻痺、感覚障害などが起きます。脳の底部に発生した場合は、脳神経の圧迫による症状(頭蓋底腫瘍を参照)が出現します。ゆっくり増大する場合は、これらの症状が起きにくく、最近では脳ドックなどにより無症状で発見されることもあります。
検 査
CT、MRI、脳血管撮影などにより、腫瘍の性状を詳細に検討します。
治 療
患者さんの年齢、腫瘍の種類、部位により治療方法が異なります。症状がない場合(無症候性)は、まずは経過観察を行います。症状を認める場合(症候性)や、脳が腫れている場合には、症状を改善するために手術による摘出が必要となります。基本的には再発の可能性を下げるために全摘出を目指しますが、先に述べた脳神経や血管などの重要構造物の損傷の危険がある場合は、それを回避して部分摘出にとどめます。この際、患者さんの今後の生活、長い人生を見据え、“再発の可能性を下げること”と“重要構造物の損傷の危険性(合併症、新たな症状の出現の可能性)を減らすこと”のバランスを考慮して摘出範囲、量を決めることになります。悪性の場合などは残った病変に対して放射線治療等を検討する事になります。発生部位や年齢により手術が危険と判断した場合には、最初から放射線治療が選択されることがありますが、その場合は症状の改善はやや難しくなります。手術に対する危険度は、病変その物による部分が大きいですが、術者の知識や経験も大きな要素の一つとなります。