脳血管障害(脳動脈瘤、脳動静脈奇形等)

脳血管障害とは

 脳血管の異常により起きる病気のことを指します。具体的には、出血(脳出血、くも膜下出血)や虚血(脳梗塞)があります。これらは具体的には以下のような病気により起きることがあります。

脳動脈瘤

 脳の血管、主に分岐部に血豆状の瘤(こぶ)ができます。内弾性板という固い壁がないため破けやすい状態となっています。破裂するとくも膜下出血となり、死亡や後遺症を残すことが多く、予後の悪い病気となります。

症 状

 破裂していない場合(未破裂)は、症状はなく、脳ドックや頭痛精査などで未破裂として見つかることがあります。まれに、動脈瘤の圧迫により、複視、視野視力障害等の症状を発症することがあり、この場合は、破裂と同様の扱いで治療を検討します。破裂した場合はくも膜下出血となり、激しい頭痛(今までに感じたことのないような、頭をハンマーで殴られたような痛みと表現されますが、出血の程度により異なります)や意識障害、重症な場合は心停止をきたすこともあります。

検 査

 CTAG(CTによる脳血管の撮影)、脳血管撮影(カテーテルによる検査)、MRA(MRIによる血管の検査)などにより確認されます。

治 療

クモ膜下出血(破裂脳動脈瘤)

 再出血の可能性が非常に高いため、すぐに再破裂予防の治療を行う必要があります。治療方法としては ① 開頭ネッククリッピング術、② 血管内コイル塞栓術があります。① の最大のメリットは、根治性が高く再発率が低いということです。② のメリットは頭を切らずに済むため患者さんの体の負担が軽いということになります。くも膜下出血の場合は緊急性が高いため、搬送された施設の状況により治療方法が選択されることになります。発症後2週間程度の間に脳血管攣縮(脳血管が収縮してしまい、その先に血液が十分に届かず、脳梗塞をきたす)が起きる可能性があるため、再破裂予防の治療後に集中治療が必要となります。

未破裂脳動脈瘤

 発見された場合は、動脈瘤の部位やサイズ、年齢、患者さんの健康状態等を考慮して治療の適応を検討します。ガイドライン上は以下のような場合は治療を含めた慎重な検討をすることが妥当と記載されています。
① 大きさ5-7mm以上
② 5mm未満であっても、A)症候性(動脈瘤による圧迫で症状のあるもの)、B)前交通動脈および内頚動脈―後交通動脈分岐部に存在する、C)ネック(瘤の入口)の大きさに比べて瘤の大きさが大きい、不整形、ブレブ(こぶの上にできる小さなこぶ)がある、場合。
 また、経過観察中に増大した場合は、治療を再検討することが進められると記載されています。
 実際には、患者さんと主治医で上記を含めて十分相談し、治療方針を検討することになります。
 治療方法は、それらのメリットは基本的にはくも膜下出血の場合と同様となりますが、異なる点としては ① 開頭ネッククリッピング術では、脳の腫れがないことや出血の影響がないこと、また術中破裂のリスクが低いため手術の難易度は下がります。② 血管内コイル塞栓術でも同様に術中破裂のリスクは下がり、使用できるデバイスも増えるため治療の選択肢が広がります。また、未破裂脳動脈瘤の場合は治療までに時間的猶予があるため、①、② のそれぞれの専門家に十分話を聞き、必要時はそれぞれの専門家による治療を受けることができるため、セカンドオピニオンなどを積極的に利用して、主治医と十分相談して治療の必要性、治療手段に関して慎重に検討することをお勧めします。